つるつるで、銀色の眼鏡ケースのような au のケータイ "PENCK"
以前、ITmedia の記事で、PENCK の開発ストーリーを読んで以来、その内部設計には興味があった。
「auスーパーガイド vol.8」(6/10発売)に、機構設計や、製造現場についての記事が載るという情報を得て、さっそく本屋に買いに行った。
もし購入したい方があれば、Amazon(680円) へどうぞ。
しかし、読みたい部分は 4ページだけだったので、その場で脳内コピーすることにした。 (立ち読みとも言う)
やはり内容の多くは、あの光沢を出すために、とても苦労したというエピソードだった。
(以下、本の抜粋ではなく、本やInternet情報を元にした 私の解釈と分析です)
普通は、できあがったプラスチック表面の ゴミ,ひけ,ムラ,ウェルドなど、塗装すれば見えなくなってしまうような不具合でも、PENCK で採用した フルグロスの塗装というのは、とても光沢が出る代わりに、プラスチックの不具合が、塗装の仕上がりに現れてしまうのだ。
だから、プラスチックの金型の精度を、普通より上げる必要があった。
ええい、"金型"ってなんじゃーい!という方。
私たちの身の回りの、プラスチック用品は全て、金型と呼ばれる"型"が必要なのです。
ケーキやクッキーを作る時、生地を流し込む"型"のようなもんだと思ってください。
そのため 金型は、放電加工ではなく直彫りで作ったとのこと。
解説しておこう。
放電加工 とは、銅やグラファイトで作った製品形状をした電極で、非接触で放電/電解しながら金型彫りを行う加工。 切削では不可能な複雑な形状が可能だが、とても時間がかかる。
一方、直彫り とは、ボールエンドミルなどの刃物工具を使って、金型を直接削っていく加工。 高精度が特徴である。 ここ数年、高速直彫りの技術が、ずいぶん進歩している。
でも、プラスチックの射出成形というのは、樹脂を注入する圧力,スピード,温度などの微妙な差で、出来が変わってくるものなので、金型さえ出来れば ok というものではない。
それを物語るように、PENCK のケースは、金型試作時で 37%、初回製造時で 60% という、もの凄く低い歩留まりらしい。 (うーむ。執念を感じるなぁ… でも、ゴミを減らす=地球に優しくするためにも、歩留まり良くしてね。^^)
その他、メモも残しておく。
蒸着塗装: アンテナが外に出てないので、電波が通る金属メッキにしている。
10層基板: 形が丸くて使えるスペースが少ないのに、最新スペックは外さなかったので苦労した。 (基板に関しては、PENCK に限らず、最近のケータイでは、どの機種でも大変な苦労をしているだろうと思われる)
プロペラデザイン: デザイナー(サイトウマコト氏)のイメージと、開発側(カシオ日立)の現実の間で、うまく工業製品のデザインに落とし込んだ。
トウプラス: 上述の PENCK 金型設計と、金属メッキなどを担当
(株)東海テック: ひたちなか市 PENCKの製造を担当。 ラインは全て若い女の子。 (うらやましい)
中には、最近の設計/製造技術としては普通かな?と思えるものも混じってるが、全体的に大変な苦労があったことは間違いない。 そして、そのことを広告宣伝として、うまく消費者の所有欲、マニア心を刺激していることに成功していると思う。
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