こちら側とあちら側
話題の本、「ウェブ進化論」を読みました。
グーグルとヤフー/楽天、アマゾン、Web2.0、オープンソース、ウィキペディア、ブログ、SNS …など、みんな知ってるけど、人によって理解度が様々な ウェブの世界を明快に分析しています。
ハイテク業界分析の本にありがちな、読者置いてけぼりの難解文章や、私見に満ちた未来予測が無く、たとえIT事情に詳しくない人でも、すんなり吸収し、「本質」が理解できる書き方になっているところが、とても好感が持てました。
感じたことはいっぱいあるのですが、全部書くと、しまらない長文になってしまうので、ひとつだけ。
この本では、従来のリアルな世界は「こちら側」、バーチャルなウェブの世界は「あちら側」と表現され、あちら側の代表、グーグルのどこが凄いか/何が違うか、ということについて書かれています。
グーグルのビジネスは、検索エンジンでの成功の延長線上に展開してるのではなく、新時代のコンピューターメーカーを目指す、という壮大な思想であることが、よく理解できます。
かくいう私も 20代の頃に、インターネットの急速な拡がりを体感して、そこにビジネスチャンスを見出して、いくつか試みたこともあったのですが、「どうも自分の肌に合わない」「やりたいことと違う」と感じて、興味がモノづくりに回帰した経験があります。
それ以来、私の思考は、この本で言うところの「こちら側」です。
ウェブを活用することに関心がないわけではないけど、あくまでも"モノづくり"がベースで、ウェブによって、どんなシナジー効果が生まれるか、という観点に終始しています。 (…ということを、この本を読んで気づかされました)
ニッポンのお家芸、モノづくり。
日本経済の再生は、このリアルな世界での復権にある、と多くの人が考えており、私もそう思っています。
でも、この本は、それは「こちら側」のことなので、これからの発展や成長が、目に見えて想像できる速度でしか進まない、と言うのです。
「ウェブ進化論」と「ものづくり/メディア」の相性とは (Tech-On!)では、モノづくり関係の出版を仕事にする 50代の人が、この本について語っています。
私も、今まで「あちら側」、ウェブで起きている変化に鈍感だったなぁ、と反省しました。
「こちら側」の人間が、「あちら側」の本質を知って受けるショック。
しかし、そのショックを吸収すれば、また違ったリアルな世界を展開できるような気もします。
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